まだ新しい成分である3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、その保湿性と安全性、安定性の高さからさまざまなスキンケアアイテムに使用されることが期待されています。そこで、今回は、3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸についてご紹介します。
3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸の基本
3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、両親媒性ビタミンC誘導体です。ビタミンC誘導体とは、ビタミンCの基本的な特性を維持したまま化学的に少し加工した成分です。塗布しても壊れることなく、皮膚のなかに浸透してビタミンCとしての効果を発揮できます。
ビタミンC誘導体には、水溶性、油溶性、両親媒性の3種類がありますが、両親媒性ビタミンC誘導体は水にも油にもなじみやすい性質を持っています。3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸は従来のビタミンC誘導体と異なり、敏感肌や乾燥性敏感肌、インナードライ肌の方であってもほとんど問題のない成分です。
3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸は全成分表示名で、VC3LGが略称です。化粧品原料としては、Amitose 3LGA(アミトース)などの名称で販売されており、その特性からセラミドプロモーターという名称もつけられています。
3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸の効果
表皮の角質層にあってターンオーバーの過程でつくられるセラミドは、角質間細胞脂質の50%を占めラメラ構造を形成することで、バリア機能を担っています。
セラミドの産生は、SPTという酵素が鍵となっており、3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、SPTを活性化させることでセラミドの産生促進効果を発揮します。セラミドは、エイジングとともに減少するので、この効果は、エイジングケア世代の乾燥肌のスキンケアにとって大きなメリットになります。
また、敏感肌になると、神経線維が肌表面近くまで伸び、感知する必要のない刺激まで感じ取ってしまい、かゆみを感じることやひりひりすることがあります。3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、神経線維が伸びるのを抑制する効果があるので、敏感肌の改善に役立ちます。
さらに、紫外線ダメージやストレス、タバコの煙などで活性酸素が増えて肌が老化しますが、3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、細胞内の抗酸化システムを活性化することでグルタチオンなどを増やし、酸化を抑えます。この抗酸化作用によって、酸化による肌老化の予防美容が期待できます。
ほかにも、メラニンを抑えるはたらきによって、老人性色素斑などの予防や顔のくすみの改善が期待出来たり、真皮のコラーゲンを増やすはたらきによって、肌のハリやツヤをキープするはたらきが期待できます。
まとめ
3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、セラミドを増やしたり、皮膚の神経線維が伸びるのを抑える効果により、乾燥肌や敏感肌のケアにも使えるので、エイジングケア世代におすすめの成分です。3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸の知識を深め、エイジングケアに上手に取り入れましょう。